中村憲剛&佐藤寿人が語る森保ジャパン2022。「中心は中盤の3センター。彼らは代えが利かなくなってきた」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by JFA/AFLO

 やっぱり、競争があったほうが面白いのは間違いないですし、選手たちも燃えますから。ただ、ある程度メンバーを固定しなければW杯予選は戦えないところであるのも事実。メンバーをなんで変えないんだという声は多いですけど、そんなに簡単なものでもないと思いますよ。

 特に今は親善試合もないので、試したくても試すことができない。最終予選のぶっつけ本番で試すわけにもいかないですし、変化させるのは本当に難しいことだと思いますよ。

---- 寿人さんや憲剛さんも、代表に呼ばれても出られないことはあったと思います。そのあたりのメンタル状態というのは、どういったものでしたか。

佐藤 僕は所属チームでは点を取る役割でしたけど、代表に行ったら「途中から」という役割も多かったですし、前だけじゃなくてサイドで使われることもありました。ただ、代表というのはそういうものだな、と理解しています。

 代表チームがやるサッカーの駒のひとつにならないといけないですし、なおかつ、そのなかで自分のストロングを出していかないといけない。全員がストレスなくやることは難しいと思いますけど、それが代表という場所だと思っています。

---- 使われないなら選ばないでほしい、と思ったことはありますか。

佐藤 選ばれた以上、どういう立場でもメンバーの一員としてやれる喜びはありますし、「使わないのなら呼ぶなよ」とは絶対にならなかったですね。みんなそうだと思いますよ。

 もちろん、ストレスは大なり小なりあると思うんですけど、出られないからふてくされるような選手はひとりもいない。自分に矢印を向けられる選手たちが揃っていたと思います。出られないのであれば、自分に矢印を向けて、いつでも行けるという準備をするだけ。

 そうやって取り組むことで、出ている選手にも危機感が生まれてくる。刺激を与える存在となることも、代表を強くするためには必要なんです。

---- 今の日本代表も、徐々にそういう状態になってきていると感じますか。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る