「客観的に見ても実力的にそうだった」前田遼一がW杯に行くためには何が足りなかったのか (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by MEXSPORT/AFLO

2013年のコンフェデレーションズカップで結果を残せなかった前田遼一。以降、日本代表に呼ばれることはなかった2013年のコンフェデレーションズカップで結果を残せなかった前田遼一。以降、日本代表に呼ばれることはなかったこの記事に関連する写真を見る 結果的に、前田にとって最後の日本代表戦となったのは、2013年にブラジルで開かれたコンフェデレーションズカップである。

 日本が3連敗を喫してグループリーグ敗退に終わるなか、前田は全3試合に出場(うち2試合に先発)しながら、ノーゴールで大会を終えている。

「ブラジル、イタリアもそうだし、最後のメキシコ戦にしても1点も奪えなかった。それ以後、(日本代表に)一回も呼ばれていないですからね。結局、『強豪相手には点がとれない』って(いう評価に)なったんだろうな、っていう思いはすごくあります。

 いかに前線で守備をしているといっても、やっぱりFWに求められるのはゴールですからね。それはどんな監督でもそうだと思います。代表戦だけじゃなく、(Jリーグの)自分のチームに戻った時のパフォーマンスもそうですし。結局は、求められているゴールを決められなかったからこそ、(ワールドカップの)メンバーに選ばれなかったと思っています」

 コンフェデ後、前田と入れ替わるように台頭してきた大迫勇也、柿谷曜一朗らが、ワールドカップのピッチに立った一方で、前田の名が再び日本代表メンバーに記されることはなかった。

「もちろん、最後まで諦めてはいなかったので、めちゃめちゃ悔しさはありました。でも残念ながら、客観的に見ても実力的にそうだったかな、っていう思いはありましたね」

 その後、前田は40歳目前までプレーし続け、2020年シーズンを最後に現役引退。

「自分自身、解説者に向いているとは到底思えなかったので。かといって、現場に向いているのかもわからないですけど」

 そう言って苦笑する前田は昨季、古巣のジュビロ磐田でアカデミー(U-18)のコーチに就任。今季からは監督を務めている。

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