2022.01.30

森保ジャパンの連動攻撃は壊滅状態のデータ。攻守のバランス未解決でサウジアラビア戦へ

  • 中山 淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

【クロスは合わず、縦パスも入らない】

 まず、試合を振り返る前提として、この日の日本が終始優位に試合を進められた理由のひとつに、中国にこれといった具体的な対策が見られなかったことがある。日本の4―3-3に対し、中国のリー・シャオペン新監督が採用した4-2-3-1は、ダブルボランチで田中碧と守田英正を見て、トップ下が遠藤航を見るという点で、ガッチリ噛み合っている。

 ところが、相手の様子をうかがいながら田中と守田が流動的にポジションを変え始めると、中国のダブルボランチは誰が誰をマークするのかが曖昧になり、結局、中途半端なゾーンディフェンスになってしまった。

 こうなると中盤でボールを奪えず、低い位置に下がった最終ラインで何とかクリアするのが精一杯。試合序盤から日本のコーナーキックが増え、ボール保持率が71%に上昇した最大の要因だ。

 かといって、日本の攻撃が活性化していたわけでもなかった。実際、前半に記録したクロスボールは6本で、味方に合わせられたのはゼロ。左右の内訳は、伊東純也が3本を供給した右からのクロスが4本で、左は2本のみ(南野拓実と大迫勇也が1本ずつ)。両サイドバック(SB)の酒井宏樹と長友佑都は1本もクロスを供給することなく、ハーフタイムを迎えている。

 サイド攻撃が停滞したうえ、中央攻撃も不発だった。前半に敵陣で記録した縦パスは7本あったが、そのうち受け手がミドルサードにいた縦パスが3本。特に1トップの大迫がアタッキングサードで収めることができたシーンは1回のみだった。的が絞られている分、相手CB(20番)の厳しいマークに苦しみ、4-3-3に変更してから顕著になっている大迫のポストプレー減少傾向は、今回も継続された。

 前半唯一の効果的縦パスは、38分に田中が中央の守田に入れた斜めのくさびを、守田がヒールでフリックし、受けた南野が一度切り返してからシュートを放ったシーン。マーカーにブロックされて得点には至らなかったが、ゴールには接近できた。

 結局、前半はシュート数でも9本対0本と大きくリードした日本だったが、決定機と言えたのは、20分のCKでサインプレーから南野がフリーでシュートしたシーンのみ。ラスト15分は、敵陣でボールを保持しながら攻撃のテンポを上げられない状態が続いた。