最終予選メンバーに残ったのはわずか6名。もったいない結末となった充実の国内組合宿

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 松岡健三郎●撮影 photo by Matsuoka Kenzaburo

 このメンバーでウズベキスタンと戦うところを見たかった。もしかすると、硬直した日本代表の選手選考を多少なりともほぐすことにつながったかもしれない。

 そんな期待も、もはや"たられば"でしかない。

 1月17日から5日間、日本代表が国内キャンプを行なった。Jリーグでプレーする国内組限定の活動である。

 キャンプ全体を通じて印象的だったのは、オフ明け直後にもかかわらず、非常に強度の高いトレーニングが行なわれていたことだ。

 この時期の日本代表キャンプというと、かつてジーコ監督時代には、ほとんどボールに触ることなく、フィジカルメニュー中心の(見る者にとっては退屈な)トレーニングに終始していたことを思い出すが、それとはまるで趣の異なるものだった。

「激しいトレーニングができた。思っていた以上にコンディションが戻ってきた感覚がある」(DF長友佑都)

「濃密で充実した合宿だった。オフが明けてからのコンディションを上げるという面でも、かなりプラスになったんじゃないかと思う」(FW武藤嘉紀)

 そうした言葉が選手たちからも聞かれたように、激しく体をぶつけ合う対人プレーもいとわない、ゲーム形式のメニューも多かった。

 印象的だったのは、強度の高さだけではない。

 選手同士が一つひとつのプレーについて声をかけて確認し合い、互いの意図をすり合わせようとする積極的な姿勢もそのひとつだ。

 なかでも、4-3-3のインサイドMFのポジションに並んだMF江坂任とMF脇坂泰斗は、互いの優れたテクニックを生かすべく、頻繁に声をかけ合いながらプレーする様子が目についた。脇坂が語る。

「(自分がワールドカップメンバーに入る)チャンスは少ないが、少ないチャンスを生かせるように、自分のよさも出し、味方のよさも知って引き出せるようにしたい」

 身もふたもないことを言ってしまえば、こうして彼らが連係を深めたところで、それを発揮する場がやってくる保証はどこにもない。というより、その可能性はほとんどないというのが現実だろう。日本代表における国内組とは、つまりは、そういう立場にいる。

 それでも彼らは、限られた練習時間のなかで言葉をかわし、要求し合い、連係を高めていった。見ているこちらが、思わず「おっ!」と声を出してしまうような連係が見られたのは、決してたまたまではなかった。

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