「日本の攻撃には怖さがない」「何もなかった」。新生なでしこの初戦、ベテラン2人が明かした危機感 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・撮影 text&photo by Hayakusa Noriko

 2戦目の相手となったオランダは、W杯予選が悪天候で1日ズレたため、チェコからの移動を含んで中1日で日本戦を迎えていた。急遽U-23のメンバーを招集し、スタメンはごっそり入れ替えられ、ベストメンバーではなかった。この状態のオランダに勝てなかったことはひとまず置いておこう。

 プレーでは、日本の守備がうまくハマっている時間もあった。相手の余裕を削ぐプレスではなく、ボール奪うことを前提としたプレスが見て取れた。高い位置からのこの迫力のあるプレスは、池田ジャパンの代名詞になっていくだろう。

 このスタイルをブラッシュアップするには、スタミナが必須条件になる。今回の遠征は4~6℃と寒いのなかでの試合だった。ワールドカップ予選を兼ねた1月のアジアカップ(インド)は、比較的過ごしやすい時期とされているが、初戦から決勝までは6連戦だ。世界大会となればそれ以上になる。このプレーを続けるならば、大会の最後まで走りきれる選手が生き残っていくだろう。

 落とし穴としては、プレスに没頭しすぎると攻撃の手数が減ってしまうことだ。今回のアイスランド、オランダからは共通した効果的な"日本対策"を感じた。日本がペナルティエリア付近までリズムよく運べたのも相手の狙いであり、アタッキングサードでの勝負ではほとんど相手に軍配が上がっている。日本のノーゴールというのはその結果だ。「コンセプトにこだわりすぎた」という選手の声もあるが、"最後の一刺し"が効かないのは相手の戦術の一環でもある。

 日本としては、相手のフィジカルに合わせて徐々にパススピードを上げようとするものの、それに動き出しが伴わない。最後のパススピードの強化と、動き出しは必ず必要になってくる。

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