森保一監督は本当に続投でいいのか。日本代表を取材してきた5人の見解 (3ページ目)

  • photo by Sano Miki

 たとえば、後任に長谷川健太元監督という噂はくすぶっているし、それなりに信ぴょう性もあるようだが、それでは森保監督からの劇的な変化は望めない。プレースタイルは守備戦術に根差したもので、攻撃は個人に頼るところが大きく、似たり寄ったり。森保監督同様に、「戦えるか」をお題目に敢闘精神を求め、序列を重んじる。ボスの風格はあるが、たとえば風間八宏氏のような閃きは与えられず、組織が動かなくなると沈滞し......今のFC東京を見れば明らかだ。

 そもそも現在の技術委員に、世界市場に飛び込み、外国人監督との契約を取るような気配はない。アルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレ、ヴァイッド・ハリルホジッチを招聘した霜田正浩技術委員長は組織変革で退陣を余儀なくされてしまった。スカウト力、語学力、人脈、交渉力が揃わないと、できない仕事だ。

 そこで、Jリーグで経験のある外国人監督、もしくは代理人が持ち込む外国人監督から選ぶことになるわけだが、スクランブルの状況では単なる博打だろう。現実的な話、時間もない。今のJリーグの監督にはそもそも契約があるし、日本に来たことがない外国人監督は一から日本人選手の情報を集めるわけで、あまりに冒険的だ(過去には悪い意味でのサプライズ招集もあった)。

 日本代表選手のレベルは、アジアでは群を抜いている。それは、三笘薫、古橋亨梧、中山雄太が入って一変したベトナム戦でも明白だろう。これに久保建英、堂安律、橋本拳人などを加えたら、残り4戦は十分に勝利が見込める。それこそ、ピッチに出た選手が適応するだけで。

 予選は森保監督続投で乗りきるしかない。リスクとリターンを考慮した上での判断である。ただ、本大会に向けては白紙で監督人事を考えるべきだ。
(つづく)

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