森保一監督は本当に続投でいいのか。日本代表を取材してきた5人の見解 (2ページ目)

  • photo by Sano Miki

 予選は森保監督に勝ち抜いてもらうにしても、協会がその戦いぶりに可能性を抱けないと判断すれば、交代は思いのほかすんなり実現するだろう。

 ただ、いまこのタイミングではどうだろうか。日本人選手の実力を考えれば、普通に戦えば突破できる。交代にリスクは少ないと踏む筆者は、それなりの能力を持った監督を招聘すれば、なんとか予選は突破できると考える。

 監督交代はサッカーについて大真面目に考えるいいタイミングだ。多くの国民が目を凝らす代表監督が、レベルの高い采配をすれば、見る目は肥える。観戦者のレベルまで上昇する。代表監督には上等な人物が就く必要があるのだ。

 世界には実際、上等な監督がいっぱいいる。W杯本大会ベスト8の機運は彼らを招いて初めて高まるというもの。サッカー協会のいい監督を見つけ出す力に期待したい。

オーストラリア戦で殊勲の浅野拓磨を迎える森保一監督オーストラリア戦で殊勲の浅野拓磨を迎える森保一監督この記事に関連する写真を見るイエス。リスクを考慮すれば予選は現体制で乗りきるしかない
小宮良之

 アジア最終予選を通じ、森保一監督が最高の結果・内容を見せることができていないのははっきりしている。

 石橋を叩いて渡る慎重さが裏目に出たのか、選手起用は硬直化した。低調な長友佑都、大迫勇也に固執。南野拓実の本来の力を引き出せず、遠藤航まで消耗させ、プレー精度を落としてしまった。

 一方で、システムに囚われすぎている。あくまで守備を補強した程度の効果しかなかった4-3-3にこだわり、ベトナム戦は守田英正の代わりに柴崎岳を起用。挙句、戦術的に無残なノッキングを起こした。相手の中盤がダイヤモンド型でアンカーがフリーになることは十分予想できたはずで、4-2-3-1でトップ下を置くべきだったが......。

「勝つことがすべて」

 森保監督はそう言うが、それは一か八かの最終戦で納得できる話だろう。予選を通してずっと「勝つことがすべて」では、「世界」を視野に入れる強化と矛盾する。正直、森保ジャパンは泥沼にいる。

 しかしそうであっても、残り4試合で森保監督を解任するのはリスクを伴うだろう。はっきりと言えば、後任候補がいない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る