森保一監督は本当に続投でいいのか。日本代表を取材してきた5人の見解

  • photo by Sano Miki

カタールW杯アジア最終予選特集
森保監督続投にイエスorノー(前編)

 カタールW杯アジア最終予選を戦う森保ジャパンは、11月のベトナム戦、オマーン戦に連勝したことでグループ2位に浮上。ひと息ついて年内の日程を終えた。これにともない、10月のサウジアラビア戦前後に取りざたされた森保一監督の進退にまつわる論議も収まり、続投は規定路線になりつつあると言っていいだろう。果たしてこのままでいいのか。長年にわたって日本代表を取材してきた5人のサッカーライターは、こう見ている。

ノー。サッカー協会の「いい監督を見つけ出す力」に期待したい
杉山茂樹

 森保一監督。W杯本大会でベスト8を狙うレベルの監督にはないと見る。続投か、交代かで言えば後者を望む。

 先日のオマーン戦。決勝ゴールを決めた伊東純也にマイナスの折り返しを送った勝利の立役者が、これまで代表に招集してこなかった三笘薫であったことに、その才覚のなさが集約される。敗戦か引き分けで自らのクビが飛ぶかもしれない崖っぷちに立たされた大一番で、後半から途中交代で送り込んだ新顔に救われるというこの構図。喜べる話ではない。 

 これをもって森保監督はツキを持っている監督だと捉えるか、限界と捉えるか。筆者の場合は後者になる。

 もっとも、南アフリカW杯本大会で、突然、自らの過去を否定するような采配を演じた岡田武史元監督のような真似ができるのなら話は別だ。カメレオン監督になれるならともかく、森保監督の言動の端々に覗く頑なな態度を見る限り、その可能性も低いと考える。

 問題は交代のタイミングだ。最終予選後か、その最中か。後者だとすれば、いまこそが最適なタイミングになる。次戦は1月28日。間隔は2カ月以上空く。だが一方で、ベトナムとオマーンに、いずれも辛勝ながら連勝したことで、続投は確実と言われる。にもかかわらずサッカー協会が交代に踏みきれば、それは英断だ。まだオーストラリア、サウジアラビアとの直接対決を残しているので、予断を許さない状況にある。

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