「この監督の言うことを信じていれば、世界に勝てるかも」今野泰幸がワクワクしていた日本代表とは

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

日本代表「私のベストゲーム」(2)
今野泰幸編(後編)

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 自分にはもう縁遠いものだと思い込んでいた日本代表。だが、今野泰幸は2年ぶりに招集され、UAE戦に出場したことで、気持ちにも少しずつ変化が生まれていた。

「久々の代表戦で、ヒリヒリするような緊張感のなかで戦うのはやっぱり気持ちいいものだったし、ましてや結果が出たんでね。欲は出てきますよね」

 ワールドカップ出場が決まったあとも、「大枠の候補のなかには入っているのかな、とは感じていたので、もし自分がベストコンディションを作っていれば(本大会のメンバーに選ばれる)チャンスはあるのかな、とは思いました」

 だが、そんな言葉の裏には、なかなかベストコンディションを作ることができないもどかしさを感じていたこともうかがえる。

「最近はもう何年もケガが多くて、ピッチに立てる機会が少なかったんです」

 自身がそう認めるように、近年の今野は度重なるケガに悩まされてきた。相手が体の大きな外国人選手であろうと、まるで恐れることなく向かっていくプレースタイルが、体のあちこちに負担をかけてきたからなのかもしれない。

 ケガが続き、満足にプレーができない日々。結果的にロシア行きがかなわなかった原因のひとつには、間違いなくケガもあっただろう。

ロシアW杯最終予選を振り返って、久しぶりの日本代表で大役を果たし「また欲が出てきた」と語る今野泰幸ロシアW杯最終予選を振り返って、久しぶりの日本代表で大役を果たし「また欲が出てきた」と語る今野泰幸この記事に関連する写真を見る だからこそ今野は、38歳で迎えた今季について「ケガも少なく、結構ピッチで思いきりよくプレーできているので、楽しくやれています」と笑顔で語る。所属するジュビロ磐田が念願のJ1復帰を決めたことも含め、充実のシーズンを過ごしたと言っていいのだろう。

「ただ欲を言えば、もうちょっとゲームに絡んで、チームに貢献したいなっていう気持ちはあるんですけどね。残り試合は少ないですけど、練習から100%でプレーして、自分をアピールしたいと思います」

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