日本代表、2位浮上も森保監督続投に疑問。南野拓実、長友佑都をどう扱うつもりか (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by KYODO

 その三笘にパスを送った左SB中山雄太も、長友佑都に代わる交代出場だった。長友→中山の交代はこれが4試合連続だ。長友が前線の選手ならいざ知らず、SBが毎試合、図ったように交代する姿は、異常と言えば異常だ。長友は前半、深々とした折り返しを1本決めているが、南野拓実と組む左サイドが相変わらず機能しなかったことも、オマーンを攻めあぐんだ原因だ。

 長友の最近の問題は、ショートパスを使ってコンビネーションを図れないことにある。後半開始と同時に三笘が投入され、長友に代わって中山が投入されるまで、長友は三笘と左サイドで17分間、コンビを組んだが、連係するシーンは皆無だった。したがって、三笘が左のタッチライン際で披露したプレーは、ほぼ単独ドリブルに限られた。三笘が投入された当初こそ、相手はそのアクションに大いに手こずっていたが、時間の経過とともに慣れていった。三笘のドリブルは単調になった。そのタイミングで中山が投入された。それによって左サイドはコンビネーションをきかせやすい場所になった。

 森保監督にとってこのオマーン戦は、日本代表監督として采配を振る最後になるかもしれない試合だった。しかし、崖っぷちに立たされることになった大一番になってもなお、三笘と中山ではなく、長友と南野を先発で起用した。失礼ながら、見る目がないと言うべきだろう。続投に反対する理由のひとつでもある。

 三笘が投入されたことで、左のインサイドハーフに玉突きのように移動した南野も、長友同様、三笘と近い距離で17分間プレーした。しかし、彼もまた、三笘とコンビネーションプレーを披露することができなかった。見せ場を作ることもなく、前戦のベトナム戦より1分早く、ベンチに下がることになった。

 三笘と南野。左ウイングとしての適性を比較すれば、軍配は断然、三笘に上がる。名門リバプールに所属する日本人ただひとりのチャンピオンズリーガーながら、南野ははまるポジションが少ない、多機能型とは言い難い選手だ。4-2-3-1の1トップ下以外に、これだというポジションは見当たらない。インサイドハーフに回っても献身的なプレーはできなかった。

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