サッカー日本代表は変われるのか。一本調子でチームが育っている感じがしない理由 (2ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Belga Image/AFLO

 2次予選でミャンマーやモンゴルに大勝していたじゃないですか。あの時とノリが今も変わらないというところに問題がある。1年後に向けて順調なステップが踏まれているというよりも、一本調子で、チームが育っているという感じを全く受けません。そこに勢いがつかない理由があるんじゃないかと思います。

浅田 よくも悪くも、あまりメンバーに森保監督の色が出ておらず、現時点で活躍している、誰もが「はい、そうですよね」と言うようなメンバーが選ばれる傾向があると思っていて、そういうことも含めて一本調子と言えるのかなと思います。逆に言うと、森保カラーが出てこないから、どうしても選手頼みになる。よく森保さんが「原理原則」みたいなことを言うのですが、そこの枠組みというのは基礎の基礎みたいな部分の話で、あとは結局、選手がピッチ上でうまくやれるかどうかで試合が決まっている。そこに「チームとして成長している感じがない」という印象があるのかな、と。

 その一方で、いわゆる「原理原則」というところはそれなりに積み上がっている印象も持っているのですが、それが通用しない時にどうするのかということに手をつけられないでいるのが現状なのかなと思います。

杉山 選手たちの能力に関して言うと、過去に比べれば右肩上がりなのですが、問題は世界の伸び率との比較じゃないですか。これが難しくて、よく海外組の人数が多くなったので手放しで喜ぶ人がいますが、実態をよく見ると、時代的に日本人が欧州に行きやすくなっているという面のほうが上かなという気はします。

 森保ジャパンが始まった瞬間、久保建英、南野拓実、中島翔哉らが出てきて、一瞬パッとフレッシュになった印象がありましたが、今その感激があるかといったら、そんなにない。「強くなってるか。弱くなってるか」論でいったら、強くはなってるんだろうけど、世界と比較したら必ずしも太鼓判は押せないし、むしろ最初の期待からはちょっとずつ下がってきている。ここで盛り返すためには、当然価値観の変化やこれまでと違った発想が必要になってくるので、何かを変える起爆剤がそろそろ必要かなと。新たな「これだ」という選手が現れてないところに問題を感じます。

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