「自分のチームからJリーグのクラブに入る選手が出てくればうれしい」三都主アレサンドロの今

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Press Association/AFLO

 僕は監督としてではなくて、チームのゼネラルマネジャーみたいな位置にいて、ユース世代を見ることもできるし、プロのチームも見ることができる。どういう選手、監督、コーチを連れてくればいいかを見極めたり、僕たちの考え方に近い人材を連れてくるように今はやっています。

 まだ今シーズンは始まったばかりですけど、4試合を終えて全勝(取材時点)。このままいければ、来年は州の2部リーグに上がれるチャンスなので、これからまだまだ面白い戦いが続けられそうです」

 三都主の夢は膨らむ。

「若い選手のなかからは、この5年間で6人がアトレチコ・パラナエンセとか、インテルナシオナルとか、アトレチコ・ミネイロとか、ビッグクラブへ行くことができたし、ここのクラブでプロとして活躍できるチャンスも開くことができた。そうやって、これからブラジルのなかでも、もっともっといいチームになれるようにしたい。

 将来的には、どこかJリーグのクラブに入る選手が出てくれば、うれしいと思っているんですけどね。ブラジルのクラブで活躍するだけじゃなくて、代表選手になったり、Jリーグや海外で活躍するようになったりするのを楽しみにしています。

 今の目標としては、毎年3、4人ぐらいをビッグクラブに送り出せるようにしたいですね。そのために大事なのは、育て方です。僕は日本で育ったので、日本のやり方とブラジルのやり方を混ぜて、選手たちを見ています。

 例えば、今は15、16歳でここに入って18、19歳で、ビッグクラブで活躍している選手がいる。そういう選手が試合に出ているのを見ると、『僕たちのやっていることは間違ってないね。これからもっと成長しようね』っていう気持ちになるんです。選手から『今日の試合に出て勝ちましたよ』って連絡をもらうと、それだけでうれしいし、ありがたいですよ」

 現在はブラジルに活動拠点を構え、クラブ運営に汗を流す三都主だが、やはり日本代表の動向は気になるところだ。

 だからこそ、「(ワールドカップ最終予選の)結果を見たりはしますけど、(ブラジルでは)日本代表の試合をチェックするのがなかなか難しい」と口を尖らす。

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