東京五輪で叶わなかったメダル獲得へ。J経験豊富なメンバーそろうパリ五輪世代が本格始動

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 その他、徳島ヴォルティスのMF藤田譲瑠チマ(出場23試合。うち先発11試合)、今回の予選で2ゴールを挙げた柏レイソルのFW細谷真大(出場25試合。うち先発9試合。得点3)を加えた6人が、今回の招集メンバーのなかでは、J1実績で同世代を牽引する6人衆ということになるだろう。

 所属クラブではそれぞれが頼れる先輩とともにプレーしていることもあり、同世代だけのチームに入っても、まだ格の違いを見せつけるには至っていないが、このままJ1で経験を重ねていけば、パリ世代全体のレベルアップにつながるはずだ。

 加えて言えば、上記6人衆のうち、細谷を除く5人までもが残留争い真っ只中のクラブに所属しているのも、偶然とはいえ、興味深い。

「チームに戻ると、残留争いが待っている。J1とJ2では選手の評価も違ってくると思うので、しっかり残留できるようにしたい」

 畑はそう話していたが、しびれるようなギリギリの戦いも若い選手たちにとっては貴重な経験場となるだろう。ポジティブに考えるならば、たくましさを増し、大きく成長するチャンスでもある。

 東京五輪の激闘がまだまだその余韻を漂わせるなか、メダルまであと一歩まで迫った悔しさを晴らすべく、パリ五輪へ向けての新たな戦いがスタートした。

 J1での台頭著しいパリ世代に、今後も注目である。

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