2021.10.12

日本代表はオーストラリアに勝てるのか。豪州のプレースタイルと気になる選手は?

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by AFLO

 忠実、勤勉、真面目。オーストラリアには日本サッカーが忘れがちな長所がピッチに反映されている。

 3-1で勝利した前戦のオマーン戦と、今回の日本戦のために招集されたその26人の顔ぶれの中で、Aリーグでプレーする国内組は、右サイドバック(SB)のリヤン・グラントと、右ウイングのクリス・イコノミディスのわずかに2人。欧州組主体は相変わらずだ。しかし、2006年W杯に出場した選手たちのようなビッグネームはいない。キューウェルのような、こいつはすごいぞと言いたくなる特別感を備えた花形はいない。

 あえて挙げるならば、アイディン・フルスティッチ(フランクフルト)になる。ルーマニア出身の母親とボスニア・ヘルツェゴビナ出身の父親の間に生まれた東欧系。所属チームでは鎌田大地のすぐ後ろで構える守備的MFとして、存在感を発揮している。さばきがうまい左利きながら、ボール奪取力もある文字通りの中心選手。ボール奪取に秀でた遠藤航とパスワークに優れた柴崎岳を足して2で割ったような、オールラウンドな中盤選手だ。フェルナンド・レドンド(元レアル・マドリード)的と言えば、褒めすぎだろうか。

 オマーン戦では後半18分、1トップ下を務めるもうひとりの中心選手、トーマス・ロギッチ(セルティック)が交代でベンチに下がると、そのポジションにスライドし、攻撃センスも見せている。最後の対戦となった2017年当時には、代表入りしていなかったので、日本戦はこれが初めての試合になるはずだ。どれほど脅威になるか、目を凝らしたい一番の注目選手になる。

 オーストラリアはピッチを広く使ったサイド攻撃をベースに戦うチームだと述べたが、それは構造的には日本よりボール支配率の上がりやすいサッカーであることを意味する。右グラント、左アジス・ベヒッチ(ギレスンスポル/トルコ)の両SBと、右マーティン・ボイル(ハイバーニヤン/スコットランド)、アワー・マビル(ミッテラン/デンマーク)の両ウイングのコンビネーションも、日本のウイングとSBより断然良好だ。