日本代表がサウジアラビアに負けていた数々のデータ。柴崎岳のパスミス以外にも負ける要素はたくさんあった

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

カタールW杯アジア最終予選特集

 2022年カタールW杯のアジア最終予選グループB第3節。ジッダで行なわれたサウジアラビアとの大一番で、日本は0-1で敗戦を喫した。6大会連続でW杯本大会出場を続けている日本にとって、最初の3試合で勝ち点3しか手にできないとは、まさに想定外の状況。早くも本大会出場に危険信号が灯った格好だ。

サウジアラビアに力負けした日本。ここから挽回できるかサウジアラビアに力負けした日本。ここから挽回できるかこの記事に関連する写真を見る ただ、試合結果は別として、この試合で両チームが繰り広げた攻防には、アジア最高レベルと言えるほどのクオリティとインテンシティがあったことは確かだった。日本がコロナ以降に戦った試合のなかではダントツのトップで、おそらく2019年アジアカップ決勝のカタール戦を上回るほど、日本にとってはタフな試合だったと言えるだろう。

 それだけに、そのガチンコ勝負で敗れたという事実は、森保ジャパンに大きなショックを与える。しかも、メキシコなどW杯16強レベルの相手ならまだしも、難敵とはいえ、サウジアラビアはグループBではポット3のチームで、最新のFIFAランキングでも、26位の日本に対し、サウジアラビアは56位だ。

 そのサウジアラビアに負けてしまった原因はどこにあったのか。本当に柴崎岳のパスミスだけが敗因なのか。改めてこの試合を紐解けば、拮抗した戦いのなかでも、チームとしてサウジアラビアが日本を上回っていたことが浮き彫りになる。

 まず、この試合を振り返るうえで抑えておくべきポイントが、日本の守備方法だ。

 0-1で敗れた初戦のオマーン戦では、とくに後半に入ってから日本の守備が崩壊。敵陣で相手のボールの即時回収を試みるも、それを相手に剥がされてカウンター攻撃を食らった。

 日本の選手がボールホルダーに次々と食いついてはドリブルやパスで剥がされ、危険ゾーンまで前進を許すシーンが目立った。結局、それを修正できないまま同じミスを繰り返し、試合終了間際に失点を喫してしまった経緯がある。

 しかし今回の試合では、相手が2019年アジアカップで一方的にボールを支配された難敵サウジアラビアということもあり、オマーン戦とは異なる守備アプローチを選択。

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