日本代表の招集メンバーはマイナーチェンジ。選ばれないのが不思議なオススメの選手4人 (3ページ目)

  • photo by Rex/AFLO

 もちろん瀬古本人も、変化に適応できなかったのは課題だろう。ポテンシャルは高いものの、まだまだ周りの影響を受けやすく、その能力を90分間どの試合でも出せる、という安定感がない。その点で、吉田、冨安の足元には及ばないだろう。修羅場をくぐり抜ける必要はある。

 とは言え、3番手の座を狙うべきCBであることは間違いない。森保一監督も東京五輪代表のメンバーには選出していた。ポテンシャルを高く評価しているのだろう。ただ、五輪で出場がなかったのは、何らかの理由はあるはずだ。

 不調で戦い方が定まらないセレッソで、瀬古が強い存在感を示すことができたら、次のステージに進むことになるだろう。彼自身が守備の形を作れるか。それができたら、欧州移籍にもつながる可能性は高い。吉田、冨安を例に出すまでもなく、異なる優れたアタッカーと日常的に対峙することで、CBは強靭に鍛えられるのだ。その時、瀬古が2人に匹敵する選手になっていても不思議ではない。

吉田豊(名古屋グランパス)
中山 淳(サッカージャーナリスト)

 現在の日本代表で、最も選手層の薄いポジションは左SBだ。9月のW杯アジア最終予選2試合の左SBで先発したのは、2008年に代表デビューした35歳の長友佑都だった。

 目下127キャップを誇る大ベテランの控えとしてメンバー入りしたのは、ボランチやCBもこなす万能型の中山雄太(ズヴォレ)と、所属のサンフレッチェ広島で3バックの一角でプレーする佐々木翔の2人で、いずれもSBが本職の選手ではなかった。森保一監督が3バックをほとんど採用しないことを考えても、4バックの左SBを本職とする選手をメンバーに加えていないことが不思議でならない。

 そんななか、Jリーグを見渡せば、代表に招集されてしかるべき本職の左SBがいる。現在マッシモ・フィッカデンティ監督のもと、森保ジャパンと同じ4-2-3-1を基本布陣とする名古屋グランパスで、不動の左SBとして高いパフォーマンスを持続している吉田豊だ。

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