憲剛さん寿人さん、W杯予選突破は当たり前? 答えは「簡単に言うなよ(笑)」 (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 ただ、それでもベスト16の壁は越えられなかったですから。ひとつ言えるのは、ここまでの日本は監督のやり方に左右される部分が大きいということ。もちろん、どこの国もそういう側面はあるのですが、そうではなく、国としてどういうスタイルを目指すのか。そこをそろそろ決めるべき時期に来ているのかなと思います。

佐藤 今、ジャパンズウェイという言葉がありますけど、それが現場サイドにどこまで届いているのかと思うんですよね。まだまだ明確なっていないなかで、困惑している指導者も多くいると思います。

中村 たしかに「日本のスタイルとは?」と聞かれても、答えづらいですよね。今回の五輪では、プレーモデルをはっきりと提示するスペイン、メキシコには(決勝トーナメントで)勝利できなかった。

 国際大会を戦ううえで、ある程度準備の仕方はわかってきたし、グループリーグを勝ち上がる術もわかってきたと思う。でも、ここからさらに先に進んでいくことは、難しいことだと思います。

---- そうしたなかで、9月2日からカタールワールドカップのアジア最終予選が始まります。もはや、アジアを突破することは当然となってきたなかで、結果以外に日本代表に期待することはありますか。

佐藤 いやいや、当たり前じゃないですよ。

中村 たしかに、勝って当たり前というフェーズに来ているのは間違いないと思いますけど、何が起こるのかわからないのが最終予選ですから。今回はコロナ禍でもありますし、招集できるメンバーも変わってくるはず。海外組が日本に帰ってくることもリスクになると思いますから。

佐藤 中立地での開催もありますからね。

中村 そう。だから例年に以上に難しくなるのは間違いないでしょう。ただ、それでも当たり前のように突破してほしいですけどね。代表のOBとしては。

佐藤 そんなに簡単に言うなよ、と思ってましたよね。

中村 引退したから、言う(笑)。

佐藤 悪いOBですね(笑)。

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