憲剛さん寿人さん、W杯予選突破は当たり前? 答えは「簡単に言うなよ(笑)」 (2ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

 悔しさを味わった選手自身も、いろんなことを感じとっていると思いますし、メディアに携わっている自分たちも含めて追求していかないといけないし、活発な議論をしていかなければいけないと思います。やっぱり、サッカー先進国と言われる国は、そういった歴史の積み重ねが、今のその国を作っていると思う。そういう意味では、まだまだ日本は経験が足りないと思いますね。

中村 今回の五輪を協会がどう検証して、総括するかに注目したいですね。でも、そんなこと言っている間に、最終予選が始まりますから。ただ、今回はいいきっかけだったと思います。スペインやメキシコとの差を突きつけられたなかで、これから日本がどういう方向に向かっていくのか。それを定めるいい契機になったと思います。

---- 決勝トーナメントはグループリーグとは異なり、一発勝負をモノにしないといけないわけですよね。そこで勝てるチームと勝てないチームとでは、やはり何か決定的な差がある気がします。国内の戦いを見ても、リーグ戦で結果を出せるチームと一発勝負のカップ戦に強いチームがある。おふたりの経験上、その差はどこにあると思いますか。

中村 寿人のいた広島もそうだし、タイトルを獲る前のフロンターレもカップ戦はあまり得意ではなかったですよね。ロマンというか、ただ勝つのではなく、どうやって勝つのかという部分を僕たちのチームは求めていたところがあったと思います。そこがまず先にあって、トーナメントでもそのやり方を押し通す。

 でも、結果的にある種、現実的なチームに負けるということはよくありました、ロマンを追い求めるのであれば、スペインくらい突き抜けなければいけないと思うんですよ。あのサッカーで勝つ確率をどれだけ上げられるか。そうじゃないと、一発勝負で結果を出すことは難しいと思います。

 日本代表に関して言えば、これからどこに向かっていくのか。そこは興味がある部分ですね。今回の五輪チームのように、ボールを持ちたいサッカーで行くのか。南アフリカワールドカップの岡田(武史)さんの時のように、しっかりとした守備をベースに全員でハードワークを徹底して勝つやり方を目指すのか。

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