福田正博が考えるサッカー五輪代表の課題2つ。高校サッカーのある「姿勢」も取り入れてほしい

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by JMPA

福田正博 フットボール原論

■東京五輪のサッカーで、日本は4位という残念な結果に終わった。最後はスペイン、メキシコと格上相手に2連敗。この差を埋めるにはどうしたらいいのか。今大会の戦いぶりを、福田正博氏に評価してもらった。

久保建英の大会を通しての活躍もあったが、日本はメダルに届かなかった久保建英の大会を通しての活躍もあったが、日本はメダルに届かなかったこの記事に関連する写真を見る 東京五輪のU-24日本代表は、メキシコとの3位決定戦に1-3で敗れて4位。結果にフォーカスすれば残念でならない。

 日本サッカーはいまから53年前にあった1968年メキシコシティー五輪で銅メダルを獲得した。メキシコ五輪の頃はプロ選手が出場できなかったが、その後はプロ選手も出場できるようになってレベルが上がった。年齢制限があるとは言え、南米勢や北中米勢の大会にかける意気込みは高く、メダル獲得がものすごく難しい大会になっていた。

 そのなかで今回はメダルを手にできる可能性を感じていただけに、なおさら残念でならない。結果としては3位決定戦で韓国に敗れた2012年ロンドン五輪と同じだが、今回のチームが持っていたメダル獲得の確率は、あのときよりもはるかに高かったと思う。

 ロンドン五輪のU-23日本代表は、グループリーグ初戦のスペイン戦が、その後の命運を決めたと言っても過言ではなかった。そのためここにコンディションのピークを合わせ、必死にボールを追いかけて少ないチャンスをモノにし、1-0で勝利した。

 視界が開けた日本は、続くモロッコに1-0で勝利し、ホンジュラスとは0-0で引き分けてグループリーグ突破を決めた。準々決勝はエジプトに3-0で大勝。しかし、この頃にはチームは満身創痍だった。その後、気力しか残ってないような状態で臨んだメキシコとの準決勝(1-3)、韓国との3位決定戦(0-2)に敗れた。

 東京五輪のU-24日本代表は、初戦の南アフリカには苦しみながらも1-0で勝利。グループリーグ最大の難敵メキシコには、試合開始後最初に訪れたチャンスをモノにし、追加点もしっかり奪って2-1で勝利した。4-0で勝利したフランスとの3戦目は、メンバーを替えながら決勝トーナメントを見据えて体力も温存しながら戦うことができた。

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