久保建英「4位だと申し訳ないし、何も得るものがない」チームとして日本サッカー協会として検証が必要だ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 中2日の6試合。ワールドカップなど、他の国際大会と比べても、日程の過酷さでは群を抜くのが五輪という特殊な大会である。

「日程だけ言わせてもらうと、正直あり得ないと思うし、こんな短期間で6試合やって、試合の前日に(キックオフ時間を)変更されて」

 そんななか、久保は6試合すべてに先発出場し、うち4試合はフル出場。残る2試合のうち、ひとつは延長戦での交代だから、90分という意味では5試合にフル出場したと言ってもいい。健闘は称えられていいだろう。

 だが、地元開催ということもあり、(少なくとも1996年アトランタ五輪以降では)過去に例がないほどの手厚い強化を図ってきたのは事実。それでロンドン五輪と同じ成績しか残せなかったことについては、チームとして、日本サッカー協会として、検証が必要だ。

「これだけ、時間とお金を協会にかけてもらって4位だと申し訳ないし、何も得るものがないと思う。6試合戦って、メダルを獲れていないのは日本だけなんでもったいない」という、久保の言葉はもっともだ。

 しかし、その一方で、選手たちはいつまでも悔しさを引きずっているわけにはいかない。

「まずは(ワールドカップの)最終予選。1試合でも多く出て、最終予選で活躍して、ワールドカップで頑張りたい」

 そう話す久保は、次なる戦いへと視線を向ける。

「自分たちはただただ負けて、ここで終わってしまったが、明日、現役を辞める選手はいないと思うんで。みんな、(日本代表に)選ばれたら最終予選で会う機会があると思うし、自分もしっかりここから切り替えて、新シーズンに向かっていければいいかなと思う」

 メダル獲得という意味では、日本は今大会で望んだ成果を上げることができなかった。だが、今後A代表で活躍する東京五輪世代が増えてくるならば、それもまた、東京五輪の成果である。

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