U-24日本代表がメダルを逃した3つの理由。そのほとんどは指揮官の采配に由来した

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • photo by JMPA

 7月25日、日本がメキシコにグループリーグの2戦目で対戦した際は、2-1で勝利していた。しかし、後半なかば、メキシコは退場者を出していて、数的不利な状況に置かれていたにもかかわらず、日本から1点差とするゴールを奪っている。ゲームもコントロールしていた。38%対62%とは、その後半のボール支配率の関係になる。日本はよくない終わり方をした。もう一度戦ったら勝てないぞと思いながら、タイムアップの笛を聞いたものだ。

 メキシコとの再戦になった3位決定戦。12日前からの流れは生きているのか。立ち上がりに目を凝らした。いやな流れを断ち切りたければ、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメントのリターンマッチでよく見られるように、キックオフ直後から、第1戦を忘れさせるように飛ばしていくのが常道だ。日本としては、主導権争いで後手を踏むわけにはいかなかった。

 ところが、ボールがピッチの隅々に行き渡り、選手がひと通りプレーする姿を確認すれば、活きがよかったのはメキシコのほうだった。日本は様子見というか、相手の攻勢を受けてしまう格好になった。

 メキシコは積極的だった。前戦で日本に敗れているからなのか、技巧的で巧緻性の高いドリブルとショートパスで日本を幻惑。開始直後から試合を優位に進めていた。

3位決定戦でメキシコに敗れ、ピッチで涙を流し続けた久保建英→3位決定戦でメキシコに敗れ、ピッチで涙を流し続けた久保建英→ その流れから、左ウイングのアレクシス・ベガが、日本のペナルティエリア内にドリブルで侵入しようとした瞬間だった。遠藤航がたまらず足をかけてしまう。前半13分。日本はPKで先制点を奪われた。

 だが、失点で目が覚めたのか、その直後から日本は息を吹き返した。3~4分間、いいムードは続いた。しかし、好事魔多しで、遠藤が好機に相手GKギジェルモ・オチョアと接触した際、スパイクの裏を見せたことから、イエローカードを提示された。これ機に、流れは再びメキシコに傾くことになった。

 2点目を奪われたのはその直後。22分、FKから、DFのヨハン・バスケスにヘディングシュートを決められてしまう。そのマークを外してしまったのも遠藤だった。2失点に直接的に絡むことになったのは、これまで吉田麻也とともにピッチに立ち続けたオーバーエイジの選手だった。

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