新シーズン「海外組」ブレイク候補。A代表未経験もすでに活躍している選手がいる (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by JMPA

 ヴィッセル神戸では、アンドレス・イニエスタからの変幻自在のパスをゴールにつなげるプレーを磨き、得点力が劇的に向上。スコットランド独特のフィジカルバトルに慣れる必要はあるが、裏に抜け出すスピードは十分に通用するはず。なにより、中村俊輔の活躍で日本人に対するいいイメージを持つサポーターは、きっと古橋を快く受け入れてくれるだろう。

 残念ながらCLの舞台に立つ古橋を見ることはできないが(2次予選で敗退)、すでに開幕戦では途中出場を果たすなど、国内リーグでの出場機会は増えるはず。そういう意味でも、ブレイクの可能性は十分にあると見ていい。

 一方、東京五輪を戦ったメンバーのなかにも、新シーズンでの活躍が期待される選手は多い。

 五輪前にデュッセルドルフ(ドイツ2部)との契約を済ませた田中碧(前・川崎フロンターレ)はその筆頭株だが、それ以上に期待したいのが、昨シーズンの実績をさらに上積みして飛躍のシーズンとなりそうな気配が漂う遠藤航(シュトゥットガルト)だ。

 ブンデスリーガでは、すでに1対1を意味する"ツヴァイカンプフ"ナンバーワンの座に上り詰めたことは周知のとおり。五輪の舞台でも存在感は別格で、推進力や展開力などボールを奪ったあとのプレーにも一層の磨きがかかっている。

 今月中旬に開幕する新シーズンではチームキャプテン就任が報じられるなど、より責任のある立場としてチームを統率する。そしてその期待に応えることができれば、来シーズンにはヨーロッパ3大リーグへのステップアップ移籍も現実味を帯びてくるはずだ。そういう意味でも、遠藤のセカンド・ブレイクには大きな期待がかかる。

 ほかの五輪代表組では、久保建英(レアル・マドリード)、堂安律(PSV)、板倉滉(マンチェスター・シティ)といった面々の新天地も気になるところ。現状、久保と堂安は所属元からの再レンタルが有力とされているだけに、今大会の活躍ぶりが新天地探しの重要なカギとなりそうだ。

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