吉田麻也が語った「いい戦いができた」2つのポイント。U-24日本代表が完璧な形で決勝Tへ (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 はたして27分に生まれた、MF久保建英の先制ゴール。遠藤は「前半で1点を取れたので、あとのゲーム展開はすごく楽になった」と振り返る。

 そしてキャプテンが挙げたもうひとつのポイントが、選手を入れ替えながら、余力を残して勝利を手にできたことである。吉田が語る。

「しっかり結果を出せて、点差が開いたことによって、いろんな選手が出場機会を得た。これから(決勝トーナメントで)本当に総力戦になるなかで、いい戦い方ができたなと思う」

 この試合では、ケガにより過去2試合でベンチ外だった冨安が先発フル出場した以外にも、同じく初先発となったDF旗手怜央、FW上田綺世がそろってフル出場した。

 さらには、DF橋岡大樹が途中出場で五輪デビューを果たし、MF三好康児、FW前田大然が途中出場から五輪初ゴールを記録。これまでの2試合でプレー機会がなかった、あるいは限られていた選手たちが次々に結果を残した。

 次の準々決勝で、DF酒井宏樹が累積警告による出場停止となるのは痛いが、すでに橋岡が、あわやアシストかという絶好のクロスを送ったのをはじめ、代役を務めるべく上々の"試運転"を済ませている。

 決勝まで6試合を戦わなければいけないことを考えれば、酒井にとってはいい休養だとも言える。こうしたアクシデントすら前向きに捉えられるのは、チーム全体がうまく機能していればこそだ。

 これまでの2試合で課題となっていた、試合の終わらせ方にも明らかな進歩の跡が見えた。

 2-0とリードして迎えた後半、日本は立て続けに決定機を作りながら、なかなか勝負を決定づける追加点を奪えずにいた。

 このままチャンスを逃し続け、どこかでフランスに1点を返されれば、またもメキシコ戦のような危うい展開にならないとも限らない。その可能性がまったくないわけではなかった。

 だが、この試合の日本は、70分に三好のゴールで待望の3点目を奪うと、90+1分には前田のゴールでトドメを刺した。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る