吉田麻也が語った「いい戦いができた」2つのポイント。U-24日本代表が完璧な形で決勝Tへ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by JMPA

 大会前は「死の組に入った」と嘆き、大会が始まってからは辛勝続きを憂いていた人たちも、これでは認識を改めざるを得ないだろう。

 東京五輪グループリーグ第3戦、日本はフランスを4-0で下し、3戦全勝でグループAの1位通過を決めた。

 全出場国の中で、3戦全勝は日本だけ。試合を重ねるごとに勢いを増すホスト国が、有力なメダル候補に名乗りを上げたことは間違いない。

試合を決定づける3点目を決めた三好康児試合を決定づける3点目を決めた三好康児この記事に関連する写真を見る「戦い方は非常によかった」

 キャプテンのDF吉田麻也がそう振り返ることができたのには、主にふたつのポイントがある。

 まずは、試合の入りである。

 この試合を前に、すでに勝ち点6を挙げていた日本は、勝ちか、引き分けでグループリーグ1位通過が決定。負けたとしても、1点差なら(順位は南アフリカvsメキシコの結果次第だが)通過が決まるという優位な状況に立っていた。

 しかし、だからこそ、「非常に難しい入りだった」と吉田。下手に受けに回ってしまえば、相手の勢いに飲み込まれる危険性もあったからだ。

 だが、実際に試合が始まってみると、日本の選手たちは非常に落ち着いていた。MF遠藤航は言う。

「ある程度相手がパワーをかけてくるのは予想できたこと。自分を含めて、まずは守りから入った」

 日本はフランスの攻撃を力強く食い止めると、次第にボールを保持する時間を増やし、主導権を握った。あたかも強豪フランスを弄(もてあそ)ぶかのように落ち着いてボールを動かし、ゴールへとつながる穴が開くのをじっくりと待った。

 この試合が今大会初出場初先発となった、DF冨安健洋が語る。

「状況的に僕らは焦る必要がなかった。(ボールを)回しながら(相手が前に)来たら裏を取るって感じで、それがうまくハマったのかなと思う」

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