宮間あやが忘れられない澤穂希の言葉。ドイツW杯直前に「今獲らなきゃいつ獲るの?」

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

――みなさんに印象深い試合を聞くと、第3戦の唯一の敗戦となったイングランド戦が多かったんです。

「ホントに!? 私はずっとドイツ戦で『ファウルをしないこと』って考えていたのを思い出しますね。だってペナルティエリアの中でほぼ相手を抱きしめてましたもん(笑)。あの時代にVARがなくてよかった......あったら私とサメ(鮫島彩)はピッチに残ってなかったと思います」

――デュエル(1対1の競り合い)で思い出すのは?

「やっぱりそれはアメリカかな。アメリカでプレーしていたという個人的な経験もあるけど、それを切り離して考えても真正面から日本を受け止めてくれた相手でしたから。ドイツ、フランスもすごく強かったけど、『本当に私たちのこと見てくれてる?』って感じがありました。アメリカはちゃんと受け止めてはじき返してくれた。だから隙がなかったんです。アリー・クリガーとか、対峙するのは楽しかったですね」

――楽しかったんですか?

「1対1に見えて全然1対1じゃないんです。右のクリスティ・ランポーンとかのカバーリングの位置とか、ホントにあの人たち紐でつながってるようにサッカーするんです。特に守備は。サメが来た時のアリーの身体の向きとか目線、その駆け引きが楽しかった。で、その奥にGKのホープ・ソロが反対サイドに指示を出してる。そのシーンとかは11年のサッカーを考えた時にパン!って思い出しますね」

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