宮間あやが忘れられない澤穂希の言葉。ドイツW杯直前に「今獲らなきゃいつ獲るの?」 (2ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

――2008年の北京オリンピック(4位)で、キャプテンの池田浩美さん、加藤與恵さんといったチームを鼓舞してきた選手が引退して、新しいチームの戦い方を模索していました。2011年はその形が見えた感覚だったのでしょうか?

「本当のことを言えば、チームの方向性は大会中に形になっていった気がしますが、サッカー的には形になってなかったと思います。ほぼ"ド根性物語"って感じでした」

――見方を変えれば、全力の根性であそこまで戦えるということを証明したとも言えますよね。

「そうですね。なおかつ、全員で連係して数的優位を作り続けるという他の国とはまったく別のやり方だったっていうのも加えれば(笑)」

――あの大会で最も印象に残っているのは?

「一つですね。大会前にドイツについてすぐ、(澤)穂希さんと2人で話してる時に『私はこの大会を獲れると思ってる。ていうか、今獲らなきゃいつ獲るの?』って言われた時です」

――その言葉を聞いてどう感じました?

「それについてどうこうっていうよりは、この人が言うならそうなんだろうって思いました。ほら、彼女には第六感があるから(笑)。私は穂希さんが言うことに疑念はない!っていう人間なので、特に理由は必要なかったですね。その言葉によって何か自分の中で変わった訳じゃないんですけど、優勝セレモニーの後にゴールドテープの中をひとりで歩いてる時にふとそのことを思い出したんです。そこでやっぱり思いましたよ、『そういえば、あの人あんなこと言ってた! やっぱすごいな......』って」

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