46歳の伊東輝悦「俺、大丈夫なのか?」。カズのあとを追うテルは真のサッカー小僧 (3ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Sponichi/AFLO

---- 甲府で3年過ごしたあと、今度はJ3の長野パルセイロに移籍しました。プレー環境など、それまで経験してきたものと違うことが多かったと思いますが。

「そもそも僕は、雪国で生活したことがなかったので、まずそのことが一番新鮮だった思い出があります。練習環境も全然違って、初めの頃は『えっ、こんな場所で?』って(笑)。ただ、カテゴリーの違いもあるし、比較するようなものでもないから、そういうものだと受け入れるしかない。

 とはいえ、グラウンドはガタガタで、最初は『ケガしねぇかな......』って思いながらプレーしてました。でも、慣れてしまえば気にならないし、ケガもしなかったから、『人間の体ってすげぇなぁ』って思ったことを覚えてます(笑)」

 静岡に生まれ、静岡で育った伊東は、地元の清水エスパルスでキャリアをスタートさせ、今は同じ静岡のアスルクラロ沼津で5シーズン目を迎えた。29年というキャリアを重ねた伊東は今、何を思い、プレーを続けるのか。

---- 最近の若い選手と接していて、自身の若い頃と大きく違っていることはありますか?

「僕が小さい頃はテレビでサッカーを見られる機会なんてほとんどなかったけど、逆に今は情報がありすぎて、頭のなかが疲れないかなって思ったりはしますね。これだけの情報のなかから、自分に合った情報を選ばなければいけない。その労力も必要になるので、以前とは違った大変さがあるでしょうね。ただ、普段はサッカー仲間として彼らと接してるので、あまり若い選手との違いは感じないですね」

---- それが若さの秘訣なんでしょうね。

「いやいや、でも、もう僕も46歳ですから。ヤバいですよ(笑)。こんな特殊なところでずっと生きてきて、サッカー小僧がそのまま46歳になっちゃったわけで。だからこの先、『俺、大丈夫なのか?』って(笑)」

---- セカンドキャリアをイメージすることはないんですか?

「ハッキリしたものはないですね。結局、引退後も『何とかなるっしょ』みたいな(笑)。それぐらいしか考えてない。だから、ヤバいヤツなんです(笑)」

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