長谷川唯がなでしこジャパンで「ずっと課題」と感じていること。強豪国に対しての戦い方 (3ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

――今年に入ってもコロナ禍の影響で、FIFAランキングで格下の相手との国際試合が続きました。それでも自信は得られましたか?

「そうですね。チームの変化というのは確かに感じています。この段階だからこそチャレンジが必要。できないことが出てきてマイナスと感じるよりも、できないことにチャレンジして修正するのが大事だと思います」

――強豪国は当然立ち上がりからフルパワーで向かってきます。受け身にならずに先手を取るための秘策はありますか?

「そこはずっと課題なんですよね。強豪国に対しても、いいポジションを取って全部数的優位になるようにできれば、前から来た相手に対しても2対1の状況を作り続けられると思うんです。全員がいいポジションを取っていることを前提で話すと裏へのボールっていうのは有効。つなげられないから蹴るのではなくて、いいポジションを取って相手がくるから裏を狙うというのが自分の中の一番の理想です」

――攻撃にしても守備にしてもポジショニングがポイントになるということですね。

「そうですね。個人的には背が低かったのもあって、ずっとポジショニングを大事にやってきました。スピードで勝てない選手に対しても、それで戦えた手応えを10代の頃から経験しています。海外の選手は、ほとんどが自分たちよりもフィジカルやスピードが上回っている相手なので、先手を取ってポジショニングを取るのが日本人として一番大事なことだと思います」

――オリンピックへ向けていいイメージが描けていますか?

「オリンピックという舞台に、完成したチーム状態で臨むのがベストだと思います。でも、若い選手がいろんなことを吸収して、どんどん成長しているのも感じているので、その中で自分も負けずに成長していきたいと思っています。一昨年のワールドカップの頃とは違うと感じられているので、大会中にもいいチームになっていって金メダルを目指したいです。それを自分も楽しんで、見る人にも楽しんでもらえたらいいなって思います」

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