U-24日本代表がホンジュラス戦に快勝も、金メダルへ気になったポイント (3ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

◆U-24日本代表メンバーの選考で見る金メダルへの本気度。キーマンは旗手怜央だ

 日本が金メダルを目指そうとした時、ホンジュラス戦は、快勝とはいえ、不足している箇所が目立った試合であり、とりわけオーバーエイジという助っ人のレベルが物足りなく見えた試合だった。世界のトップクラブの味を知っている選手がいないという現実が露呈したと言ってもいいだろう。

 巷ではオーバーエイジの3人を讃える報道が目立つが、筆者は逆にそこに不安を覚える。自分自身のプレーで精一杯ではないのか。金メダルを目指し、全軍をリードするには力不足、経験不足のように見えた。

 五輪のレベルは、W杯やユーロに劣るとはいえ、これまで金メダルを獲得してきたチームに注目すれば、W杯級でありユーロ級だ。チャンピオンズリーグ(CL)に置き換えても決勝トーナメント級だ。欧州でプレーする選手は増えたものの、CLにコンスタントに出場する選手はいない日本の現実と、どう折り合いをつけるか。

 金メダルから逆算して、この日、合格点を出せそうなプレーをしたのは田中碧(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)ぐらいだった。一方、実力上位の冨安健洋(ボローニャ)は、プレーに余裕があったにもかかわらず、その余裕をチーム全体に波及させることができなかった。

 調整不足のホンジュラスの真の力がどれほどか、この一戦を通して鮮明にならなかった。日本に対しては、五輪という大会にある程度余裕を持って臨めるイメージが湧いてこなかった。本番前の最終戦は、格上とおぼしきU-スペイン代表戦(17日)だ。オーバーエイジの3人が、どこまでリーダーシップを発揮できるのか。注目したい。

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