中村俊輔と遠藤保仁、FKがうまいのはどっち? 名手・木村和司が判定 (3ページ目)

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 FKの場面で、野球でいう代打が使えたら? それはもちろん、使う。常に準備をさせておいて、絶好の位置でFKを奪ったら、すぐに俊輔を起用する。そのほうが面白いし、ファンも喜ぶのではないだろうか。

 FKにおいては、壁をどう活用するかも重要。それをうまく利用して、蹴る瞬間をGKに悟らせないようにする。

 そういう意味では、GKとの駆け引きもFKでは大きなポイント。ファーサイドと見せておいてニアサイドへ決めたり、ニアサイドと思わせてファーサイドへ決めたり、その点も俊輔はうまい。実際、FKの映像を見てみれば、GKが逆を取られていることがよくわかる。

 この駆け引き、という点においては、遠藤も優れている。FKでは、GKに一歩というか、蹴る方向の逆足に体重をかけさせれば、蹴る側の勝ち。そういった駆け引きでは、遠藤はGKの逆を取るのが本当にうまい。

 私もGKと駆け引きが大好きだったが、相手の逆を取った時には痛快だった。よくヤマをかけるGKがいたりするのだが、その逆を突いて、ゴールを決めた時は「ざまーみろ」と思ったものだ(笑)。遠藤もそんな快感を何度も味わっているのではないだろうか。

 あと、遠藤は打つコースがいい。曲げたり、落としたり、というより、狙ったところにズバッと打てる。FKのコントロール、精度が非常に高い。映像を見ても、すごくいいところに決まっているのがわかると思う。

 彼らに続くような日本人選手? 今は見当たらない。普段から蹴っていないのだろう。先にも触れたが、FKは日頃から蹴っていることが大事。練習後の"遊び"のなかで身についていくもの。そういう"遊び"ができる選手が今はいないのかもしれない。それは、ちょっと残念な気がする。

 久保建英? もっと練習して、試合で決められるようになったら、俊輔や遠藤に続く選手になれるかもしれない。それだけのポテンシャルはある。

 とにかく大事なことは、結果を出していくこと。それによって、自信がつくし、周りも認めるようになる。

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