スペインの名指導者が推す東京五輪でカギを握る7人。「U-24世代では1、2を争う逸材」と絶賛した選手は?

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

「U-24ガーナ代表戦、ジャマイカ代表戦と連勝を飾り、東京五輪に向けていい準備になったと言えるだろう」

"スペインの慧眼"ミケル・エチャリはそう言って、18人で東京五輪に挑むU-24日本代表の前途を祝している。

 エチャリは、15年以上にわたってバスク代表の監督を務めてきた。FIFA非公認のチームながら、毎年のように代表戦を行なっており、ボリビア、ベネズエラ、ペルーなど南米の伏兵をことごとく打ち負かしている。2006年、当時最強を誇ったバルセロナの選手を中心にしたカタルーニャ代表を破った戦術は、多くの監督が採用するバルサ対策となったほどだ。

「日本はオーバーエイジ枠の3人が入ったことで、ソリッドなディフェンスが印象的になっている。正直、対戦相手のレベルが低かったため、スコアに関しては限定的な成果とするべきだが、内容そのものは良かった。例えば、ジャマイカ戦は左サイドの三笘薫がとても目立った動きをしていたし、競争は激しく、チーム力は上がっている」

 かつて日本代表の南アフリカW杯での健闘と、ブラジルW杯の惨敗を予見したエチャリが、東京五輪のキーマンとして注目する日本のメンバーの7人とは?

U-24世代では1、2を争う逸材とミケル・エチャリが高く評価した田中碧U-24世代では1、2を争う逸材とミケル・エチャリが高く評価した田中碧吉田麻也(サンプドリア)

 ガーナ戦で冨安健洋と組んだセンターバックは、チームに安定感を与えていた。敵に脅かされそうな気配を、ことごとく断ち切っていた。守備者としての熟練を感じさせ、「いい守りがいい攻めを作る」という定理の起点になっていた。攻撃のセットプレーでは、高さが武器になっている。冨安の欠場により、ジャマイカ戦では前後半、2人のセンターバックと組んだが、どちらにも支えとなって力を引き出し、磐石の気配があった。

酒井宏樹(浦和レッズ)

 雄壮なまでに、プレーに力強さを感じさせる。ほとんど相手に攻め手を与えていない。攻撃のタイミングの取り方にも優れており、重心の低い突進で奥深くまで侵入し、相手を混乱に陥れる。ガーナ戦の3点目のシーンで、攻め上がってのクロスは、FW上田綺世と息が合っており、クリアしきれなかったディフェンスのオウンゴールになった。攻守を繰り返すことができるスタミナも十分だ。

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