日本代表サバイバル。川辺駿が見せた現代のボランチに絶対に必要な能力

  • 篠 幸彦●文 text by Shino Yukihiko
  • 西村知己●イラスト illustration by Nishimura Tomoki

◆日本代表が5連戦で手にした4つの収穫。攻撃陣の充実ぶりが頼もしい>>

Answer
坂元の落としを裏のスペースに持ち出して突破

 川辺のダイナミックな攻撃センスが光ったシーンだった。

 日本がDFラインからのビルドアップで右サイドの山根にボールを回し、山根が縦のパスコースを切られたタイミングで、ボランチの川辺がボールを受けに来る。

坂元のリターンを受けた川辺は一気に縦のスペースへ持ち出し、クロスを入れた坂元のリターンを受けた川辺は一気に縦のスペースへ持ち出し、クロスを入れた ここからがポイントである。川辺は相手の2人の間でボールを受けることで、坂元への縦パスのコースをつくった。川辺が受けるタイミングで坂元も受けに下りてきていて、川辺はワンタッチで縦パスを入れた。

 中盤のラインを破る縦パスを入れてから、川辺は止まらなかった。坂元に釣り出される形で相手左サイドバックのアレクサンドル・ミシチェンコが前へ出ると、その裏の5バックの端にギャップが生まれる。

 それを見た川辺は、そのままスピードアップ。坂元の落としをもらうと、そのままダイナミックに縦へと持ち出し、前のスペースへと抜け出した。キルギスDF3人を置き去りにするドリブルでサイドを崩すと、ファーサイドに走り込んだオナイウへ鋭いクロス。オナイウが左足で押し込み2点目を決めた。

 相手の隙を見つけるやいなや、大胆な持ち出しでDFラインを突破する力を示した川辺。優れた状況判断からの2点目となった。今や激戦区となった日本代表のボランチのポジション争いで、生き残りをかけてアピールする見事なチャンスメイクだった。

◆【動画】カタールW杯予選 日本vsキルギス ハイライト
(川辺のアシストシーンは0分46秒〜1分6秒)

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