日本代表が5連戦で手にした4つの収穫。攻撃陣の充実ぶりが頼もしい (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

◆魅力的だった日本代表の右サイド。海外組と国内組の差はなくなった>>

 その後、18年はレノファ山口でJ2得点ランキング2位の22ゴールをマーク。19年は大分トリニータでプレーし、J1で2桁ゴールを挙げた。20年からは完全移籍で横浜F・マリノスに加わり、今季はここまで10ゴールを決めてJ1得点ランキング3位につけている。まだまだ成長の余地は大きく残っているだけに、慢心することなく、大迫からポジションを奪えるように成長をつづけてもらいたい。

 守備面でも収穫はあった。センターバック(CB)で昌子源(ガンバ大阪)が戻ってきたのは心強い。加えて、五輪代表の板倉滉(フローニンゲン)も、ミャンマー戦で吉田麻也(サンプドリア)とコンビを組んで、十分に力があることを証明してくれた。

 ボランチ陣はいまの日本代表で最も選手層が厚い。そのことがよくわかったことも収穫のひとつと言っていいだろう。遠藤のほかに、存在感を増した守田英正(サンタ・クララ)、橋本拳人(ロストフ)もいる。彼らはボール奪取、ビルドアップ、そしてゴール前への攻め上がりと、すべての部分でスケールアップしている。

 Jリーグ組では、川辺駿(サンフレッチェ広島)が持ち味を存分に発揮した。ボランチは自ゴール前から相手ゴール前までカバーすることが求められ、川辺はその役割でチームを活性化させた。五輪代表には田中碧(川崎フロンターレ)や中山雄太(ズヴォレ)のほか、板倉もいる。今後は、ここから誰が選ばれても不思議はない。

 一方、来年のW杯に向けて奮起してもらいたいのが、左サイドバック(SB)だ。このポジションは10年W杯から3大会連続で長友佑都(マルセイユ)がレギュラーを張ってきたが、その長友も今年9月で35歳。サッカーは年齢でやるものではないとはいえ、来年のW杯を36歳で迎える長友を上回る存在がいないことは大きな心配のタネだろう。今後は、五輪代表世代でチャンスを得る選手も増えてくるはずで、W杯予選のその先を見据えて競争が激化してほしいポジションだ。

 W杯アジア最終予選には、日本のほかにシリア、オーストラリア、イラン、サウジアラビア、UAE、韓国、中国、オマーン、イラク、ベトナム、レバノンが進出を決めた。この12カ国が2つのグループに分かれて、アジアにある4.5枠の出場権を争う。

 最終予選は対戦相手のレベルが上がり、何が起きても不思議はない。今回の代表活動で見えたそれぞれの課題に選手たちが取り組んで、この先さらに成熟した日本代表が見られることを期待している。

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