2021.06.12

かつての人材難がウソのよう。最強のCBコンビ不在が気にならなかった

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 ロングボールをはね返すだけではない。CKからの完全にデザインされたプレーで奪った先制点にしても、谷口のヘディングを経て生まれたものだ。CBの高さは攻守両面で生かされていた。

相手のロングボールもきっちり跳ね返していた谷口彰悟相手のロングボールもきっちり跳ね返していた谷口彰悟 この記事に関連する写真を見る  また、彼らが誇示したのは高さだけではなかった。

 かつて日本で大型CBを探そうと思えば、少なからず足下の技術には目をつぶる必要があった。要するに背の高いCBは、得てしてボール扱いが下手だったのだ。

 しかし、そんなイメージもすでに過去のものだ。

 Jリーグ随一のパスサッカーを操る川崎フロンターレでプレーする谷口はもちろん、植田にしてもそつなくビルドアップに加わることができていた。

 CBがあたかも"アリバイ作り"のごとく、形だけビルドアップに参加するようでは、相手の守備ブロックは崩れない。

 最終ラインで横パスをつなぎながらも、機を見て縦パスを打ち込む。あるいは、前方にスペースがあれば、自らボールを持ち出す。そうしたプレーが必要なことは、谷口が「(南野)拓実や(鎌田)大地が前向きでプレーできるとチャンスが増える。それをいかに作れるかを考えた」と話しているとおりだ。

「(パスを)出し入れしながら(相手ブロックの)間をのぞく。チームでやっていることが生かされた」

 川崎の攻撃的スタイルを支えるキャプテンはそう語り、胸を張った。