中澤佑二vs闘莉王。歴代最高のCBはどっち? 対戦FW前田遼一が2人の特徴を徹底比較 (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by AFLO

◆坪井慶介が選ぶ日本人センターバックトップ10。歴代1位は?>>

 2011年のチャリティーマッチで、佑二さんと1対1の局面になったことがありました。その時もトラップしたボールが少し大きくなってしまった瞬間に体を入れられて、まったく勝負させてもらえませんでした。チャリティーマッチという真剣勝負とはちょっと違う試合でも、少しの油断も許されなかったのが強烈に印象に残っています。

 こうした佑二さんの守備は基本に忠実で、日本人DFに多いタイプと言えるかもしれません。佑二さんと正対した時にドリブル突破できた印象はほとんどなく、まずそういう場面で勝負しようと考えていませんでした。仕掛けるよりも一度パスしてからもう一度もらうとか、違う選択肢を考えていました。

 闘莉王は1対1になると、あまり飛び込んできません。じっと我慢して、最終的に僕が仕掛けたところを狙って動いてきます。佑二さんのように常に狙うというより、持たせておいて大事なところで止めてくる印象です。

 闘莉王はある程度こっちの間合いで仕掛けさせてくれるので、佑二さんより1対1の勝負がしやすかったと思います。だからドリブルで何回か突破した印象は、闘莉王のほうが強いです。ただ、大事なところは止めてくるので、そこからゴールを多く決められた印象はないですね。

 2人は味方チームのCKから、高さで得点を取れる選手ですが、ここでも2人の違いがわかりやすく見てとれます。

 佑二さんの場合、CKでは動きながらタイミングよく入ってくるタイプで、非常に厄介でした。しかも常に自分の最高打点でボールを叩いてくるので、並みの選手では太刀打ちできません。

 高校生の時に、一度東京ヴェルディの練習に参加させてもらったことがあります。ゲームでCKになった時に誰も佑二さんをマークしたがらず、僕がマークにつかざるをえなくなりました。そしてあの迫力で高い打点でヘディングをされて......。僕はなにもできず、ただ見ていることしかできませんでした(笑)。

 一方、闘莉王は、CKではファーサイドで待っている印象があります。佑二さんのように最高打点でヘディングをするケースはあまりなくて、相手によってどこでヘディングするかを変えてきます。「この相手ならこのくらいの高さで勝てる」という判断で、打点の高さを変えていた印象です。

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