上田綺世をスペインの名指導者が称賛「プレーの本質を理解している」

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 32分、上田はエリア内でディフェンスと並走しながらボールを受けると、しっかりとキープして深みを作っている。ターンして、マイナス方向の久保へリターン。あっさりと2点目が決まった。

 前半終了間際、酒井のクロスに対しても、上田は正しいポジションと動作を選択していた。ディフェンスがクリアしきれず、オウンゴールになったが、動き自体を評価すべきだ。プレーのタイミングを理解している」

 エチャリは上田以外の各選手にも寸評を与えている。もうひとり、特筆した選手もいるのだが、それについてはあらためてまとめることにしたい。

◆日本代表のシステム変更と鎌田大地の活躍にスペインの名指導者が喝采

「前半を3-0でリードされたガーナだが、ベンチは動いていない。日本の各ラインの圧力に押され、自陣から出ることができずに一方的に攻められていただけに、チームとして修正する必要があったが、他の選手のコンディションがそれほど悪かったのだろうか。

 後半3分、日本は堂安が右サイドからバックラインを横切るドリブル。その動きに合わせ、左サイドの相馬勇紀が中央に近づくように走り込んでスペースを見つけると、堂安からのパスを受け、冷静にコースへ流し込む。技術と戦術が融合したゴールだった。スピード感のあるロジカルなコンビネーションは日本の特長だ。

 後半11分、今度は左サイドを相馬と中山雄太の連係で破っている。ライナーのクロスに対し、マークを外していた上田が頭で決めた。技術的に高かったし、パワーもあった。序盤、上田は右からのクロスを1本、ヘディングでミスしているが、帳尻を合わせたと言える。

 その後、日本は次々に選手を交代。次第にペースが落ちていった。明らかにプレーリズムが落ち、攻撃が単発になって、思うようにボールを運べていない。カウンターを浴び、この試合唯一の決定機も許してしまった。

 しかし終了間際、日本はハイライトになるゴールシーンを作っている。中盤で田中碧を中心に、遠藤航、堂安と壁パスを連続させてボールを運び、巧妙にスペースを作り出すと、ゴール前の三笘薫につなげる。三笘はディフェンスを前にしながらすばらしいコントロールでかわし、6点目を決めた」

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