2021.05.31

森保Jミャンマー戦とモンゴル戦を比較。同じ大勝でもデータに大きな違い

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 結局、この試合で日本が記録したクロスは、前半13本、後半16本の計29本。モンゴル戦が計58本だっただけに、物足りなく感じるかもしれない。しかしこの数字は、アウェーでミャンマーと対戦した試合の30本とほぼ同数。通常は10~15本の試合が多いので、クロス30本は一方的な試合の中身を証明する数字とも言える。

 一方、クロス本数とは対照的に、敵陣での縦パスは増加し、モンゴル戦では計41本を記録したが、今回の試合では前半23本、後半26本の計49本。その主な要因として考えられるのは、ゾーンディフェンスの相手に対し、ワンボランチ(7番)の両脇に空いたスペースで、南野、鎌田大地、大迫勇也が入れ替わりでポジションをとり、味方からの縦パスを受けた点だ。

 この3人が縦パスを受けた回数は、失敗に終わったケースも含めると、南野が14回(前半4回、後半10回)、鎌田が12回(前半6回、後半6回)、大迫が13回(前半7回、後半6回)と、49本中39回。全体の約8割を占めた。

 これらのデータから見えてくるのは、日本が相手の守備方法に応じて、サイド攻撃と中央攻撃をうまく使い分けたことだ。

 相手が人についてくるモンゴル戦では、中央のスペースが見つけにくいため、サイド攻撃の回数を増やす。逆に、相手がゾーンを守るミャンマー戦では、サイドのスペースを埋められているため、相手と相手の間に空いたスペースを使って縦パスを打ち込み、クロスよりも中央攻撃の回数を増やす。伊東が前半に見せた斜めのランニングも、その一環だったと見ていいだろう。

◆南野拓実はトップ下よりサイド? 俊輔や香川も経験した「10番の苦悩」>>

 最後に、この試合でもうひとつ抑えておきたいポイントがあった。それは、後半の62分に守田英正に代えて原口元気を起用し、システムを4―2-3-1から4-3-3(4-1-4-1)に変更した森保監督の采配である。4-3-3は、モンゴル戦の後半に森保ジャパンになって初めて試したシステムであり、これで2試合連続の実戦投入になった。

 ただし、前回は後半途中に再び4-2-3-1に戻し、新システムの採用はわずか19分で終了。単に新しい選手をテストするためのシステム変更と解釈することもできた。しかし今回の使い方を見ると、今後も4-3-3を使う可能性は高まったと見ていい。