身長も期待も大きかったが...。日本代表に定着できなかった大型FW5人 (4ページ目)

  • 津金壱郎●文 text by Tsugane Ichiro
  • photo by AFLO

 その森島がA代表入りしたのは2008年10月。この年7月に出場機会を求めて移籍した大分でのパフォーマンスが評価された。そして、出場機会のないまま終えたウズベキスタン戦が今のところ最後の日本代表になっている。

 高校サッカー界で注目された彼らの一方で、クラブのユースで育った大型FWがトップチームを飛び越えて海外クラブに渡ったケースもある。だが、それも期待どおりの活躍には至っていない。

 1991年生まれで195cmの指宿洋史は、柏レイソルU−18所属時にスペイン人指導者の目に止まり、2009年1月にスペイン2部のジローナに入団。そこから2014年までスペインの2部や3部で経験を積んだ。

 しかし、海外でのブレイクには至らず、2014年にアルビレックス新潟に移籍。ジェフ市原・千葉、湘南を経て、今季は清水エスパルスでプレーしている。

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 文部科学省の『令和元年度 体力・運動能力調査』(令和2年10月公表)によれば、日本人の20歳〜29歳の平均身長は171.75cmとなっている。

 190cm級が次々と誕生する土壌ではないが、大型サッカー選手がまったくいないわけではない。

 ユース日本代表の各年代を見渡せば、U-17年代には189cmの小林俊瑛(大津高)、U-18年代には192cmの鈴木倫太朗イブラヒーム(徳島ヴォルティス)、U-20年代には191cmの栗原イブラヒムジュニア(清水エスパルス)や189cmのブラウンノア賢信(水戸ホーリーホック)といった次代の大型FW候補がいる。

 サッカー界には、「CBはFWが育て、FWはCBが育てる」という格言がある。大型CBが育つようになってきただけに、世界のトップレベルで通用する大型FWが出てくる日も遠くないのかもしれない。

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