森保ジャパンに刺激。レギュラーを突き上げたJリーグ組3人 (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

◆森保ジャパン2列目の最適解が見つかった。競争はさらに激化傾向>>

 これができたのも、森保監督が普段から足繁くJリーグの会場に足を運び、選手をチェックし、ピックアップしたからだ。これがJリーグをあまり視察しない監督だとこうはいかない。海外組の能力は確かに高いが、そこだけに頼っていては日本代表の選手層は厚くならない。海外組を突き上げる存在をつくるのも、代表強化には不可欠な要素なのだ。

 右サイドバックで起用された山根視来(川崎)は、得点を決めたからというわけではなく、それ以外のところでも臆せずにプレーしていた。ボランチの稲垣祥(名古屋グランパス)も、Jリーグで好調なチームを支えているとおりのパフォーマンスを発揮した。

 FW古橋享梧(ヴィッセル神戸)は、普段からイニエスタなどのビッグネームとプレーしていることでの意識の高さ、ゴールへの強い意欲を代表戦でも見せていた。彼の持つ圧倒的なスピードは相手に脅威を与えた。

 こうしたJリーグ組の選手たちの多くは、W杯の最終メンバーに残れるかはわからない。しかし、そこに向けた戦いのなかで、次も招集されるための力があることは十分に証明しただろう。個人的には次回もまた呼ぶべきだと思う。

 代表に定着するにはリーグ戦でアピールし、代表に呼ばれ、代表戦で結果を残し、再びリーグ戦でアピールする。この繰り返しを地道につづけるしかない。そのためにはまずJリーグでこれまで以上のパフォーマンスを見せ、森保監督を悩ます存在になっていってもらいたい。

 次回、日本代表の活動があるのは6月。国内でW杯2次予選の残り試合と国際親善試合が行なわれる。海外組をフルに呼べるのかわからないが、たとえ招集できる状況にあったとしても、日本代表がさらに成長するために国内組が一人でも多く代表に名を連ねることを期待している。

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