中二日で劣勢を挽回、アルゼンチンに完勝も日本サッカーの今の実力は? (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

 Jリーグでスーパースターとなりつつある三笘薫(川崎フロンターレ)も、いつものドリブルが肝心なところで何度も引っかかった。「川崎でプレーしているときとコンビネーションが違う」という意見もあるが、高いレベルでは、試合の中でいかにプレーに適応できるかが問われる。三笘のリズムはアルゼンチンには終始、読まれていた。久保がしたたかに敵の裏を取っていたのとは対照的だった。

 もっとも、三笘は幸運と言える。自分のプレーを図る相手と対峙することができた。それは必ず成長につながるだろう。

「この借りは返す」

 久保は言う。その姿勢が、サッカーの世界では力を与える。日本サッカーはまだまだ強くなる途上だ。

 そして中二日で行なわれたアルゼンチンとのリターンマッチ、日本はその激しさに適応していた。

 序盤から相手を苛つかせるほど、日本は高い技術と闘志でペースを握った。先発に起用されたMF田中碧(川崎)がプレーに緩急をつけつつ、絶対的なキープ力も見せ、チームにリズムを与えていた。そして瀬古歩夢(セレッソ大阪)の縦パス1本、林大地(サガン鳥栖)が抜け出して先制に成功。後半も、久保のCKを板倉が2度にわたって豪快なヘディングシュートを叩き込んだ。

「この借りは返す」

 第1戦後に久保は語っていたが、3-0という快勝で、その言葉を実行した。

 世界における日本サッカーの現在地をこの試合だけで判断するのは早計だろう。ただ、日本がまたひとつ強くなったのは確かだ。

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