期待裏切る結果も、三笘薫&旗手怜央の「川崎ライン」を見限るのは早計だ (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • 代表撮影:日本雑誌協会

厳しい状況でのプレーを強いられ、不発に終わった三笘薫厳しい状況でのプレーを強いられ、不発に終わった三笘薫 とはいえ、この1試合で川崎の左サイドコンビ移植を失敗と結論づけるのは、少々もったいないように思う。

 先に記したように、この試合の日本はそもそもチームとしての機能性に欠けていた。つまりは、三笘や旗手が川崎と同様にプレーするには、非常に厳しい条件だったということだ。

 三笘が左サイドでボールを持ったときには、すでに1対2の数的不利の状況が出来上がっていることが多く、ひとりをかわしても、すぐにふたり目が襲いかかってきた。さすがの三笘も、これでは単独突破からクロス、あるいはシュートまで持ち込むのは難しい。

 しかし、裏を返せば、ひとり目は確実にかわせていたということでもある。ドリブルのスピード自体はアルゼンチン相手でも十分に通用していたし、もう少しいい状況でボールを持たせることができれば、どうなっていたか。そんな期待を抱かせるプレーは見せていた。

 旗手にしても中盤の選手さながら、再三内に入ってパスをつなぎ、攻撃に厚みを生み出す。そうした"らしさ"の片鱗はうかがわせていた。そもそもそれを期待されて起用されているのだから、チームがうまくいっていないからといって、低い位置でおとなしくしていたのでは意味がない。

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