日本代表、ロシアW杯ベルギー戦の落胆。惜敗はどんな糧をもたらすのか (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

無料会員限定記事

 日本は"復讐"を果たしたと言えるだろう。

「選手たちは、"やれることはまだまだある"という意欲が強かった。リスクを負って進まなければならず、意欲によって好転させてきた。(監督として)選手たちに引っ張られたところがたくさんある」

 大会直前にヴァイッド・ハリルホジッチからバトンを受けた西野監督は、そう振り返っている。

◆サプライズ選出や不当な扱いも。外国人監督に翻弄された日本代表の選手たち>>

 ピッチに立つ選手が、柔軟に戦局を判断していた。「監督に従う」でも「自分たちのサッカー」でもない。電撃的な監督交代に、少しもあわてなかった。臨機応変さは、多くの選手が欧州を舞台にして揉まれていたから得たものだろう。

 長谷部はその筆頭だった。中盤で攻守両面において味方を補完するように、常に正しいポジションを取って、迅速な決断を下す。それを連続してやることで、舵を握っていた。

 右サイドバックの酒井宏樹(マルセイユ)は、大会のベストプレーヤーのひとりだろう。右サイドでサディオ・マネやヤニック・カラスコと対峙し、ほぼ完封した。原口元気(ハノーファー)との連係が良く、攻守で右サイドを支配していた。

 2人とも欧州で研鑽を積んできたが、他の選手も同じだった。ベンチに本田、岡崎慎司(レスター)が控えるのも奥の手になっていた。その一方で、主力を休ませたポーランド戦は苦しんだが。

 ベルギー戦の日本は、前半から少しも怯んでいなかった。後半序盤には、2点のリードに成功。原口、乾貴士(ベティス)の二人のシュートが、名手ティボー・クルトワを破った。

 しかし65分、ベルギーがマルアン・フェライニ、ナセル・シャドリの2人を同時投入すると流れが一変した。

 日本は高さ、パワーに苦慮。ラインを下げられ、セットプレーを多く与えた。下がったことでバックラインの前を使われ、混乱が増す。そして69分、CKから中に折り返した必死のヘディングが、GK川島永嗣(メス)の頭上を越えてネット揺らした。"事故"が起こりやすい展開だった。その5分後にも、再びCKの流れで、エデン・アザールのクロスを、フェライニに高い打点から頭で叩き込まれた。

全文記事を読むには

こちらの記事は、無料会員限定記事です。記事全文を読むには、無料会員登録よりメンズマガジン会員にご登録ください。登録は無料です。

無料会員についての詳細はこちら

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る