2021.03.21

本田圭佑とブラジルW杯敗退。「自分たちのサッカー」が行き着いた先

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • photo by JMPA

 ブラジルワールドカップのメンバー23人中、欧州組は12人と、史上初めて半数を超えた。日本サッカーは新たなフェーズに入った。大国と比較しても遜色のない戦力を得た。

 攻撃にかかった時は、6、7人が平気でゴール前に迫る。とことんパスをつないで、機動力を生かして攻め崩す。主力選手たちは、その華麗さに酔っている節があった。

「自分たちのサッカー」

 彼らは口々に唱えるようになった。

 しかし、それは「玉砕」に近い意味を含んでいた。攻撃と守備のバランスは徐々に瓦解。ショートパスの多用で攻撃は単調になり、相手にリズムを読まれやすくなっていた。何より、いったんボールを失うと、裏返されるような状況に陥ったのだ。

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 2013年、コンフェデレーションズカップ。ザックジャパンはイタリアを相手に攻撃に特化した戦いで撃ち合っている。試合内容はスペクタクルだったが、結果は3-4で打ち負けた。ブラジル、メキシコにも敗れ、グループリーグで敗退。3試合で9失点と、攻撃は防御にならず、守備が破綻していた。

 1年後のブラジルワールドカップでも、必然的に「自分たちのサッカー」がノッキングを起こした。

 初戦のコートジボワール戦はそもそもプレスが機能せず、ボールを持って仕掛けられなかった。じりじりした戦いの中で消耗させられ、後半途中から入ってきたエース、ディディエ・ドログバを中心にしたパワープレーにはなす術がなく、立て続けに失点。狂った歯車を戻せずに、1-2で敗れた。続くギリシャ戦はスコアレスドロー。カウンターを狙ってきた相手を警戒したか、攻め崩すだけの力がなかった。

 そしてコロンビア戦、他の試合結果と大量得点での勝利によって、決勝トーナメント進出の望みはわずかに残っていた。

「自力突破はないですが、奇跡を信じています。コロンビアに勝つことに集中して。その先に自分が発言してきたことが叶う可能性はゼロではない。信念を曲げるつもりはないし、それがあるから頑張れる」