明神智和が日本代表を検証。目についた欧州組と今後期待の国内組とは? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・構成 text by Asada Masaki
  • photo by Kyodo News

 もちろん、そこには選手個々の能力が上がっていることも理由としてあると思います。ですが、それ以上に海外でプレーする選手が増え、普段から同じような対戦相手とプレーしているから、海外選手を相手にしてもまったく違和感を覚えていないのが大きい。

 選手たちは所属チームでいろんな監督の下でプレーし、いろんなものを吸収して刺激を受け、自分たちが成長したなかで集まっているから、短期間でもチームとしてやるべきことのすり合わせができる。選手個々がたくましくなっているのを感じました。

 結果に関しては、やはり日本代表として日の丸を背負い、あのブルーのユニフォームを着る以上、常に求められるものです。メキシコに0-2と完敗を喫したことの残念さはありますし、選手も責任を感じていると思います。

 しかしながら、チームを作っている段階では、結果だけでは見えない部分もあります。

 おそらく森保一監督はひとつかふたつ、この2試合ではここを、この2試合ではここをというように、その遠征ごとのテーマを設定していたと思います。自分たちが何を求めていて、何ができたのか。そういう内容の部分では成果があったのではないかと思っています。

 昨秋のヨーロッパ遠征での4試合で特に目が行った選手は、ボランチの遠藤航選手。それから、センターバック(CB)の吉田麻也選手、冨安健洋選手です。

 まずCBのふたりに関しては、プレーのレベルが非常に高かった。CBはずっと日本が弱いポジションだと言われてきましたが、あのふたりは高さで負けていないし、1対1の守備でも能力の高い海外のストライカーに対応できる。なおかつ、ビルドアップもできるのだから、改めてスゴいなと思いました。

 そして遠藤選手ですが、何より表情や姿勢を見ただけで、自信を持ってやっていることがすぐにわかりました。

 所属クラブでコンスタントに試合に出場することで力をつけ、それがそのままプレーに出せているのでしょう。日本にいるときはDFもやっていましたし、守備のイメージが強かったですけれど、今回は攻撃の印象もかなり強かったです。

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