福西崇史が歴代日本人ボランチを格付け。ピッチを支配した名手ベスト10 (3ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Shino Yukihiko
  • photo by Getty Images

福西氏が「ボールの取り方がうまかった」という、服部年宏福西氏が「ボールの取り方がうまかった」という、服部年宏5位 服部年宏(元ジュビロ磐田ほか)

 服部さんは、サイドバックやセンターバックなどいろんなポジションを任される人でしたけど、ボランチをやった時の守備力がすごく印象に残っています。

 その守備がマニアックというか、うまいんですよね。マネようと思ってもなかなかできない技術でした。実際に服部さんに「どう取ってるんですか?」と聞いたこともあります。そうしたら「誘っておけば相手が足に当ててくれるじゃん」とか、そんな感じで服部さんにしかわからないんだなと思いましたね。

 ジュビロ磐田の黄金期のなかで、服部さんは前の選手を的確にサポートしてうしろから見守ってくれる存在でした。「Nボックスシステム」(※)で個性溢れる攻撃陣が自由に力を発揮するためには、服部さんのボランチでのバランス感覚が欠かせませんでした。縁の下でチームを支えてくれたのが服部さんです。

※Nボックスシステム...名波浩を中心に、周囲に4人のMFをボックス型に配置したシステム。流麗なパスワークを武器にした

◆01年ジュビロに伝説の「N-BOX」誕生。そこには夢とロマンと儚さがあった>>

4位 山口素弘(元横浜フリューゲルスほか)

 モトさんは、日本で守備的MFが、「ボランチ」と言われるようになってきた時代の選手の走りですよね。ボランチの位置からの展開力やいいタイミングで飛び出す攻撃参加のセンスで、流れのなかの要所で存在感を発揮。チームに影響力を与えられる存在でした。

 また、ダブルボランチやアンカー(守備的MF1枚)など、その時々に求められるバランスをうまく取って、今、チームの重心がどこなのかを決めることができる、バランス感覚に優れた選手でもありました。

 モトさんと一緒にプレーした経験はないんですが、対戦した時はよく目が合いましたね。「ここにもいるな」とか、「ここも意識されているな」とか、こっちが仕掛けにいこうとする時、いつも"見られている"というのを感じていました。攻撃だけではなく、守備においても非常に視野の広いボランチでした。

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