日本代表左サイドバック問題。長友の後継者は誰になるのか? (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Getty Images

◆W杯予選に向けた日本代表の課題。監督の「駆け引き」の経験>>
 
 中山は森保監督の期待を感じ、成長しようと懸命にやっている。そして、チームとしては勝負を見据えた時に、他の手立ても用意しておく必要がある。

 個人的には、杉岡大暉(鹿島アントラーズ)の成長に期待している。国際試合ではうまい選手よりも、戦える選手が必要になるが、杉岡は球際や空中戦に強く、まさに戦える選手だ。

 鹿島では永戸勝也に出番を奪われているため、まずは出場機会を増やす必要はあるが、日本代表に足りないパーツを埋めるポテンシャルを秘める選手だけに、今季の結果をバネにして来季は飛躍を遂げてもらいたい。

 柔軟に考えるなら、すでに右SBとして国際レベルで実績のある選手を、左SBとして起用する手もある。日本代表不動の右SBには酒井宏樹がいるが、室屋成(ハノーファー)が頭角を現していることを考えると、所属クラブで左SBとしても起用されている酒井を左SBに使う手もあるのではないか。

 なぜこうした意見を出したかと言うと、SBはポジショニングなどで独特な動きを求められるからだ。攻撃参加のタイミング、逆サイドから攻撃された時に中央へ入っていく守備など、サイドバックならではの動きがある。もちろん、右サイドと左サイドではピッチの見え方は異なるものの、そのタイミングや位置取りなどの感覚で、SBをやっている選手にはアドバンテージがある。

 2022年W杯カタール大会まで、残された時間はあと2年弱。あらゆる可能性を探りながら、そのなかで最善な手を打っていく必要がある。

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