「ポット4」の日本の現状を鑑みれば、確かな収穫があったメキシコ戦 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 試合序盤、メキシコは高い位置からプレッシャーをかけてきた。日本はこれに苦しみ、なかなか前にボールを運ぶことができなかった。

 だが、前半10分を過ぎたあたりから、日本はメキシコのプレスをはがせるようになった。

劣勢のなかでもチャンスを生み出していた伊東純也劣勢のなかでもチャンスを生み出していた伊東純也 特に15分の鈴木武蔵のシュートにつながったシーンや、28分に伊東純也がクロスを入れたシーンなどは、柴崎岳と遠藤航のダブルボランチが、ときに縦に、ときに横に互いのポジションを取りながら、タイミングのいい縦パスを出すことで生まれたチャンスだった。

 結果的に、そこでのチャンスを生かせず、日本は強烈なしっぺ返しを食うことにはなった。だが、前半の戦い方は決して悪くなかった。そこでのチャンスで得点できていれば、試合は異なる展開を見せていたに違いない。

 もちろん、「後半が本当のメキシコのレベル」(吉田)だろう。

 だが、番狂わせを狙う日本にとっては、いかに相手のスキや油断をつくかが勝負であり、"本当のメキシコ"が相手になれば、勝ち目が薄くなることは承知のうえである。

 吉田は、日本がベスト8に進出するためには「ポット2に確実に勝って、ポット1にどれだけ戦えるかがカギになる」としたうえで、「わかっていたことだが、ここらへん(ポット2のチーム)に確実に勝つ力は、自分たちにはまだまだないと感じた」と話しているとおりだ。

 そもそもポット2に確実に勝てる力があるくらいなら、日本がポット2に入れることになってしまう。

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