2020.11.18

メキシコ戦の敗因は決定力不足ではない。森保Jの「半端さ」が原因だ

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 日本サッカー協会●写真 photo by JFA

 そして後半に入ると、流れはメキシコにすっかり傾いた。後半18分にラウル・ヒメネス、後半23分にはイルビング・ロサノに連続ゴールを許すと、反撃はすっかり期待できないムードとなった。

 メキシコと日本の差について語ろうとした時、指標となるのはボール支配率だ。56対44。メキシコに試合をコントロールされたことを裏付ける数字だ。もちろん、ボール支配率で劣っても、試合に勝つことはある。支配率が高い方が勝利を収めても、一概にそれを順当勝ちと称すことはできない。例外は多々あるが、同系のサッカーをするこの両者間の戦いにおいては別。重要な物差しになる。

 どちらのチームのほうがプレッシングは効いていたか。パスコースが多く、パスがよく回ったか。プレスの掛かりが弱い両タッチライン際を有効に使えたか、等々を知る手がかりになる。もちろんボール操作術の優劣も大きな要素になるが、メキシコを相手に、ゲームをコントロールできなければ、W杯でメキシコ以上の成績(ベスト8以上)は見えてこない。

 体格の小さな選手が、技術を活かしパスを繋ぎ、奪われるや、勤勉にプレスを掛け、ボール奪取を狙うサッカー。日本が目指したいことをメキシコにされてしまったという印象だ。メキシコという本家に、伝統の違いを見せつけられたという言い方もできる。両者が対峙したことで、森保采配が抱える中途半端さが浮き彫りになったという感じだ。

◆「勝利したパナマ戦でも課題が...」>>

 この試合、注目された布陣は4-2-3-1だった。3-4-2-1で戦った前戦パナマ戦とは、打って変わった布陣で臨んだ。「いろんな戦い方をしたい」とは、パナマ戦、メキシコ戦を前にした森保監督の弁だが、両者のコンセプトはまさに対照的な関係にある。

 パナマ戦のように、最終ラインに人員がダブつきやすい3-4-2-1は、言い換えれば、後ろで守る守備的で、少人数で攻めるカウンター系、速攻系のサッカーに適した布陣である。さらに付け加えるならば、非メキシコ的だ。メキシコを見習うべき相手とするならば、このパナマ戦の戦い方はなんだったのか。