鷲見玲奈が名波浩に聞く日本代表戦。「日本はまだまだサッカー発展途上国」 (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 立松尚積●写真 photo by Tatematsu Naozumi

名波 試合後のメディアも、センターバックのふたりはすばらしかった、という論調でしたね。でも、確かに(右センターバックの)吉田麻也は本当にすばらしかったけれど、冨安は前半、安西の動きをもっとコントロールして、あんなに前へ行かせてはいけなかったと思います。

 押され気味の試合のなかで、中盤でボールを奪えそうなのに、奪えないシーンが何回かありました。そうなると、自分たちの背後を使われる可能性を考えたリスク管理のなかでは、センターバックがリーダーシップを取って、サイドバックやボランチを帰陣させることも含めて、スペースを消す必要があった。そこをコントロールできれば、もっと守備でも落ち着きが出たと思います。

 とは言うものの、よくゼロ(無失点)に抑えましたよね。鷲見さんが最初に言ったように、11カ月ぶりの試合ですから。

鷲見 以前と同じようにコミュニケーションは取れないですよね。

名波 漫才コンビでも、11カ月ぶりにネタをやれと言われたら、たぶん感覚がつかめないでしょ。空気が全然違うと思います。

鷲見 11カ月ぶりの代表戦ということを考えれば、まずまず、ですか。

名波 もし自分がそのチームの主力で試合に出ていて、11カ月ぶりに入ってやっていたとしたら、こんなもんかな、って感じでしょうね。

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