「黄金世代」超えもある。真の「久保建英世代」の戦いを世界で見たい

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by AFLO

 9月14日から3日間、U-19日本代表の国内キャンプが行なわれた。

 今年に入ってからは、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、同代表も一切活動することができず、今年初のキャンプが行なわれたのは7月のことだった。しかし、8月にも予定されていたキャンプは、事前のウイルス検査で参加選手に陽性者が出たため、急遽中止に。そのため、今回が約2カ月ぶりにして、ようやく今年2回目のキャンプ開催だった。

 U-19代表を率いる影山雅永監督も、「(何かを)積み上げるほど(キャンプの)回数がなく、ほとんど"無"に近い」ところからの再スタートとあって、「これは(感覚を取り戻すのに)相当時間がかかる」と覚悟していたという。

 ところが、選手たちは短期間にもかかわらず、指揮官曰く、「徐々に(チームコンセプトを)理解して自分のプレーに出していくのが見えた」。

 最終日には紅白戦も行なわれたが、参加した選手たちは皆、それまでの鬱憤を晴らすかのように、激しく体をぶつけてボールを奪い合い、ハツラツとした動きを見せていた。

 こうした急造メンバーが、にわかに集められた場合、どうしてもプレーが手探りになったり、遠慮があったりするものだ。にもかかわらず、これだけ激しくやり合うのも珍しい。実に見応えのある紅白戦となった。

 しかしながら、久しぶりの活動再開を喜んでばかりもいられない。というのも、このチームが目指すところはどこにあるのか。その目標が定まっていないからだ。

 2020年のU-19代表は本来、2021年に開かれるU-20ワールドカップを目指し、活動しているチームである。

 ところが、今年10月に開催予定だったアジア最終予選(アジアU-19選手権)は、来年への延期が決定。AFCの発表によれば、来年の早い時期に行なう予定とはされているが、現段階で具体的な日程は決まっていない。

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